令和元年度に実施した活動

【総会】

※報告は『日点協通信』195号(令和元年6月)に掲載

◆概要
日時:5月25日(土)午後
会場:障害者福祉センター会議室A・B(神戸市立総合福祉センター4階 〒650-0016神戸市中央区橘通3丁目4-1)
スケジュール:
13:00 受付開始
13:15〜15:30 総会
15:30〜15:45 休憩
15:45〜16:45 バリアフリーかるた体験会
17:30〜19:30 懇親会(自由参加)

◆審議
<開会>
理事長あいさつ、自己紹介
<議長選出>
豊田悦子さん(兵庫県)
<議事録署名人および資格審査人の選任>
議事録署名人:森理事長、曽根理事、松山理事
資格審査人:緒方理事
<資格審査>
会員総数220名、出席者172名(うち当日出席27名、書面議決書56名、委任状89名)。会員の半数以上の出席があり本総会は成立。
なお、書面議決書はすべて議案に賛成。
<第1号議案> 平成30年度事業報告および収支決算報告の承認について
森理事長から平成30年度事業報告がありました。定款に掲げてある事業に沿って活動が行われたこと、その活動に協力してくださった会員のお名前を資料に挙げていること、など。
会計担当の松山理事より収支決算報告。具体的な活動については資料にある「計算書類の注記 事業費の内訳・管理費の内訳」をよく読んでいただきたい。
<監査報告>
監事の鈴木孝幸さん、三宅隆さんが欠席のため、兵藤理事が監査報告を代読。事業報告書並びに収支決算書に問題がなかったとの報告。
<採決>
満場一致で第1号議案は原案通り可決承認されました。
<第2号議案> 令和元年度事業計画および収支予算について
森理事長より令和元年度事業計画について説明。
新年度の活動としては、5月の総会・研修会、8月の静岡でのスキルアップ講習会と点字技能師チャレンジ講習会、秋の「日点協通信」誌上での学習会、2月の研修会を予定している。今年も関連団体との協力を続けていく。
会計担当の松山理事より新年度収支予算の提案があり、予算規模はほぼ昨年度と同様であることなどの説明。
<採決>
満場一致で第2号議案は原案通り可決承認されました。
<議長解任>
総会提出の議案審議はすべて終了し、豊田さんの議長の任は解かれました。
<情報交換>
会員からの情報提供
・会員の額賀さんと九曜さんから画面読み上げソフト「NVDA」の概略について説明。
NVDAヘルプデスクについて、NVDAの特徴、NVDAの点字について、ご協力のお願いなど。
その後、出席者から次々に、どのような点が優れているのか、Windowsパソコン上で6点入力を可能にするフリーソフト「やむ6点」の紹介、ろう学校での使用例、ピンディスプレイにつないで盲ろうの方が使っている話などの情報。
・京都ライトハウスの新商品「ドット・テーラーのがまぐち」の紹介。
・神戸市立総合福祉センターと神戸市立点字図書館について神戸市立点字図書館 東 秀樹さんより紹介。
・意見交換

◆バリアフリーかるた体験会
総会のあとは、「大阪点字付きかるたを楽しむ会」の代表・兵藤さんの進行で競技かるたの体験会を楽しみました。
点字使用者10人くらいが果敢に競技に挑戦、墨字使用者は周りで応援団としてサポートにまわりました。
参加者には10首を予習していただくようお願いをしておきました。
10枚の札をカチッとはめることができる木の台をひとり1台ずつ持ち、覚えてきた10枚の札を自分の取りやすいように並べます。1文字か2文字を聴いただけで勢いよく「ハイッ」と持ち上げる声があちこちでしました。
「点字がついているので札がわかる」だけでは面白みがありません。取る早さを競ってこそゲームとして楽しめます。
10枚の札を取る「十人一首」とは別に4枚の札を取る「四人一首」という競技もあります。
盲ろうの会員の方々も楽しそうでした。

【5月の研修会】

※報告は『日点協通信』197号(令和元年8月)に掲載

◆概要
日時:5月26日(日)
場所:神戸市立総合福祉センター会議室A・B(神戸市立総合福祉センター4階 〒650-0016神戸市中央区橘通3丁目4-1)
9:00 受付開始
9:15〜 9:30 オリエンテーション・自己紹介
9:30〜11:00 研修1「中国語の点字」 講師:澤田 祐子氏(日本ライトハウスボランティア)
11:00〜11:15 休憩
11:15〜12:15 研修2「講演 点字との出会い、そして、全盲の記者として」 講師:「点字毎日」記者 佐木 理人氏
12:15〜12:30 閉会

◆参加者
38名(うち点字使用者16名、うち盲ろう者2名)

◆研修1「中国語の点字」
講師:澤田 祐子氏(日本ライトハウスボランティア)
中国の点字は表音文字、いわゆるPinyin(ピンイン・?音)で表記。
声母(音節の最初の部分)、韻母(声母の次に来る部分)、声調(アクセントみたいなもの、必要な文字の後ろに付す)、記号
中国では一つの漢字は一つの発音しかなく、日本語みたいにいくつもない。一つの語ごとに分かち書きを行う。

◆研修2「講演 点字との出会い、そして、全盲の記者として」
講師:点字毎日記者 佐木 理人(さき あやと)氏
・自己紹介
・点字毎日について
・点字毎日での仕事内容(触読校正、編集者、記者、論説委員)

【2019年度日本郵便年賀寄附金助成事業「スキルアップ講習会」】

◆概要
日時:令和元年8月2日(金)13時20分〜17時、3日(土)10時15分〜16時
会場:静岡県総合社会福祉会館シズウエル会議室103号室(静岡県視覚障害者情報センターと同じ建物の1階
   〒420-0856 静岡県静岡市葵区駿府町1-70)
参加費:1講座1,000円、2講座1,500円、3講座2,000円(非会員の方は倍額)
定員:40名(先着順)
スケジュール:
8月2日(金)
13:00     受付開始
13:20〜13:50 開会式・オリエンテーション
13:50〜15:50 講習1「『表記法の分かち書きと切れ続きの幅と『てびき』・『表記辞典』の語例」講師:渡辺昭一氏(日本点字委員会会長)
15:50〜16:00 休憩
16:00〜16:40 点字表記・点訳についての意見交換(自由参加)
16:40〜16:55 アンケート、連絡事項など
18:30〜20:00 懇親会(希望者のみ)(静岡駅近くの「居酒屋柚柚yuyu静岡駅前店」で会費3,540円)
8月3日(土)
10:00     受付開始
10:15〜10:30 オリエンテーション
10:30〜12:30 講習2「大震災と要援護者支援 被災地からお伝えしたいこと」 講師:中村雅彦氏(福島県点字図書館長)
12:30〜13:30 昼食休憩
13:30〜15:30 講習3「日本の理数点字記号の行方 2019年『暫定改訂版』が消える日、何が起きるか」 講師:福井哲也氏(日本ライトハウス点字情報技術センター)
15:30〜16:00 アンケート・閉会

◆参加者
49名(うち点字使用者10名、うち盲ろう者1名)

◆講習1「『表記法の分かち書きと切れ続きの幅と『てびき』・『表記辞典』の語例」
※報告は『日点協通信』198号(令和元年9月)に掲載

講師:渡辺 昭一氏(日本点字委員会会長)
・切れ続きの幅について
・分かち書きについて
・切れ続きについて
・固有名詞の切れ続きについて
・まとめ
・質疑応答

◆講習2「大震災と要援護者支援〜 被災地からお伝えしたいこと」
※報告は『日点協通信』199号(令和元年10月)に掲載

講師:中村 雅彦氏(福島県点字図書館長)
・講師自己紹介
・震災から8年経って
・あと少しの支援があれば
・被災現場で気づいたこと
・まとめ(「最後は人の力だ」、「自分で守ろう自分の命」から「地域で守ろう地域の命」へ)
・質疑応答

◆講習3「日本の理数点字記号の行方〜2019年『暫定改訂版』が消える日、何が起きるか〜」
※報告は『日点協通信』200号(令和元年11月)に掲載

講師:福井 哲也氏(社会福祉法人日本ライトハウス)
・新しい理数点字記号の解説書は2019年度中に発行予定。
・算数・数学(分数囲み記号、伏せた数字を表す「め」、数式指示符、日本語文中の数式の前後のマスあけ、数式中のコンマ、「要素」とブロック化カッコについて、墨字の都合で付いているカッコ)
・情報処理記号
・理科(単位記号、単位カッコ、化学分野の角カッコ、立体指示符、漢字や仮名で書き表された単位の切れ続き、理科の専門記号の切れ続き、図について)
・質疑応答

【2019年度日本郵便年賀寄附金助成事業「点字技能師チャレンジ講習会」】

◆概要
主催:日本点字技能師協会
日時:令和元年8月2日(金)13時〜17時45分、3日(土)9時15分〜16時45分
会場:静岡県総合社会福祉会館シズウエル会議室101号室(静岡県視覚障害者情報センターと同じ建物の1階
   〒420-0856 静岡県静岡市葵区駿府町1?70)
参加費:4,000円(資料代、模擬試験代を含む)
定員:40名(先着順)
使用テキスト:『点字技能検定試験の対策 過去問題(第19回)の正答と解説』(日本点字技能師協会発行)
参考テキスト:『日本点字表記法 2018年版』(日本点字委員会発行)
模擬試験に使用する器具:点字器または点字タイプライター。点字使用の方への模擬試験問題原文の音声版による提供は、録音テープと一般CDの2種類を用意。盲ろうの方には音声版以外の方法で試験問題を提供。
スケジュール:
8月2日(金)
12:30    受付開始
13:00〜13:30 開会式・オリエンテーション
13:30〜15:15 講義1「点字技能検定試験受験に向けて〜実技試験を中心に」講師:上野多美子氏(兵庫県立視覚特別支援学校非常勤講師、日点協副理事長)
15:15〜15:30 休憩
15:30〜17:30 講義2「障害者福祉、視覚障害者福祉&教育を楽しく、分かりやすく!〜点字技能師学科試験問題に向けて」講師:野々村好三氏(京都ライトハウス情報ステーション点字製作担当)
17:30〜17:45 アンケート・連絡事項
18:30〜20:00 懇親会(希望者のみ)(静岡駅近くの「居酒屋柚柚yuyu静岡駅前店」で会費3,540円)
8月3日(土)
9:00 受付開始
9:15〜 9:30 オリエンテーション
9:30〜12:00 模擬試験
12:00〜13:00 昼食休憩
13:00〜15:00 講義3「国語の文法的理解と読解力に関すること」講師:中山 敬氏(日本盲人会連合職員、日点協理事)
15:00〜15:15 休憩
15:15〜16:30 講義4「試験の答え合わせ ほか」講師:上野多美子氏
16:30〜16:45 アンケート・閉会

◆受講者
参加者は17名。静岡県から1名、愛知県から1名、そして北は北海道から1名、南は沖縄県から1名、そのほか関東甲信越地区から2名、関西地区から8名、中国地区から2名、九州地区から1名。このうち点字使用者は5名。
模擬試験で使用する器具は点字器の方が8名、点字タイプライターの方が6名(3名が模擬試験欠席)。点字使用の方が利用する音源はテープの方が2名、CDの方が3名。

◆講義1「点字技能検定試験受験に向けて〜実技試験を中心に」
講師:上野 多美子氏(兵庫県立視覚特別支援学校非常勤講師、日点協副理事長)
今年、新しい表記法が発行されたが、今年の検定試験の募集要項によると、「『日本点字表記法2018年版』または『日本点字表記法2001年版』に準拠する」となっている。
・校正問題の解答の書き方、点字化問題の解答の書き方の説明(見本の点字を配布)
・点字表記や訂正箇所がわかっているのに、解答の仕方で失敗するのはとてももったいない。
・第19回検定試験の校正問題(指摘箇所32ヶ所)について分析
・仮名遣い(「オ列」の長音、ジ・ズを使うかヂ・ヅを使うか、など)、特殊音
・分かち書き・切れ続き(形式名詞、接尾語、「ない」、「する」、記号、囲み記号、など)

◆講義2「視覚障害者福祉&教育を楽しく、分かりやすく!〜点字技能師学科試験問題に向けて」
講師:野々村 好三氏(京都ライトハウス情報ステーション点字製作担当)
・事前資料に書いてあった課題(「2019年の出来事は?」「2019年は〇〇周年というものは?」「2020年東京パラリンピック22競技のうち視覚障害者が参加できる競技は?」)について3人くらいのグループを作って話し合い。
・学科問題のポイント
・障害者福祉のキーワード
・大事な人物・団体名
・障害者の人権をめぐる諸問題
・視覚障害者福祉のキーワード
・「点字毎日」を読みましょう
・視覚障害者の情報環境のキーワード
・視覚障害者教育のキーワード

◆講義3「国語の文法的理解と読解力に関すること」
講師:中山 敬氏(日本盲人会連合職員、日点協理事)
・言葉のアンテナを張りましょう(日点協で発行している過去問『点字技能検定試験の対策』、漢字を正しく読めるようにする、語彙を増やす、文化庁のホームページにある「国語に関する世論調査」や「敬語おもしろ相談室」「ことば食堂へようこそ」などを見る)
・文法は中学校程度の教科書で勉強するとわかりやすい
・古文の点字表記の学習について(表記法に出ている例文をよく読む、古典の物語は内容を楽しんで読むと覚えやすい、「二句切れ」「体言止め」など点字表記と関係ないものも出題されている)
・今までの出題傾向の分析

◆模擬試験と答え合わせ
本番とほぼ同じ条件で実施。いつも通りにすることの難しさを体験。
その後、答え合わせをしながら注意点についての解説。
・点字化問題は時間内にとにかく最後までたどり着くこと。校正問題は「あきらかな間違い」だけを指摘すること。
・実物の点字に慣れていない人は毎日、紙に書かれた点字を読む練習をすること。
・慌てずに落ち着いて取り組むこと、それまでに準備をしっかりすること。

【「日点協通信」誌上学習会】

『日点協通信』201号(令和元年12月)に掲載

「みんな悩んでるUEB問答集 2017年〜18年まとめ」
講師:福井哲也氏(日本ライトハウス点字情報技術センター)
2018年に福井氏が作成された「みんな悩んでるUEB問答集 2017〜18年まとめ」と題する資料を全文掲載していただきました。
この資料を作成するにあたり福井氏は次のようにおっしゃっています。
この「問答集」を編集するにあたり私が心がけたのは、紋切り型の「Q&A」にはせず、できるだけ理由や思考の筋道を示すよう努めたこと、答えが複数ある事柄は無理に一つに絞らず併記したこと、明確な答えが見つからない場合は正直に「分からない」と書いたことなどです。すなわち、考えるプロセスを共有したいとの趣旨です。
《問答集目次》
1.1級記号符(問1・2)
2.アクセント符と外国の固有名詞(問3・4)
3.下がり縮約語と記号類(問5〜8)
4.注記符と注番号(問9〜13)
5.句読符(問14〜17)
6.書体指示符(問18〜21)
2019年10月の規則改訂
「用例で探す下がり縮約語と記号類早見表」
《資料》
『エッセンシャルガイド 統一英語点字UEBで何が変わるか』 福井哲也、2015(日本ライトハウス)
『UEBベーシックマスター 英語点訳の基礎』 福井哲也、2016(同)

なお、この誌上学習会についての質問を受けつけています。
寄せられた質問には来年の4月の『日点協通信』で答えていただく予定。

【冬の研修会】

例年通り2月に学習会を開くことで準備を進め募集までしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりやむを得ず中止といたしました。
代わりに令和2年4月と5月に発行される機関誌『日点協通信』で誌上学習会として学習することにしました。
最初に立てた予定は以下のとおり
<日時> 令和2年2月29日(土)10時〜15時45分
<場所> 名古屋盲人情報文化センター2階集会室(〒455-0013 愛知県名古屋市港区港陽1丁目1?65)
<定員> 30名
<参加費> 1,500円(非会員は3,000円)
<スケジュール>
10:00〜10:30 開会・オリエンテーション
10:30〜12:30 研修会「古文点訳入門」 講師:長江 まゆみ氏(名古屋市鶴舞中央図書館点字文庫ボランティア)
12:30〜13:30 休憩
13:30〜15:30 ワークショップ「マンガの点訳」
15:30〜15:45 閉会式

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