27年度に実施された活動

【平成27年度(第13回)総会と研修会】

<日時> 平成27年5月30日(土)・31日(日)
<場所> 日本盲人福祉センター(日盲連)会議室(東京都新宿区西早稲田2-18-2)
<スケジュール>
30日
13:15~13:30 開会・オリエンテーション・自己紹介
13:30~15:30 総会・その他
15:30~15:45 休憩
15:45~17:00 点字百人一首デモンストレーション(百星の会)
18:00~20:00 懇親会
31日
9:30~12:30  研修会「古文教材点訳のポイント」(講師:長江まゆみ氏)
12:30~13:15 昼食休憩
13:15~16:15 ワークショップ「点図 de Talk」
16:15~16:30 閉会

◆総会
総合司会:森副理事長
議長:南真由美さん(神奈川県)
議事録署名人:中山理事長・曽根理事
資格審査員:江﨑理事
資格審査:正会員総数197名、当日出席者23名、委任状による出席77名、書面議決書による出席58名、出席者合計158名。
定足数「正会員総数の2分の1以上」を超えているので総会は成立した。
<第1号議案> 平成26年度事業報告、収支決算報告
賛成多数で承認された。
<監査報告>
監事より「いずれも適正に処理されている」との報告があった。
<第2号議案> 平成27年度事業計画案、収支予算案
今年度の事業計画で特に説明されたことは以下。
・点字技能チャレンジ講習会と点字技能師研修会は8月1日・2日に北海道・札幌市で開催する。
・来年の2月の研修会は静岡県で開催し、英語の点訳について学ぶ予定。
・点字技能師就業実態調査は、今年度引き続いてこの調査をする。
・日点協として日盲社協の全国大会に議題を提出することにした。
賛成多数により承認された。
<第3号議案> 理事の任期に関する定款変更(定款第4章役員及び職員の任期)
採決は挙手により行われ、定款変更は可決された。
(現在、定款の変更を東京都に申請中)
<参考> 「日盲社協に提出した議題の文書」
日本盲人社会福祉施設協議会情報サービス部会長 岡本 博美 殿
特定非営利活動法人日本点字技能師協会
理事長 中山 敬 
 平成27年度日盲社協第63回全国盲人福祉施設大会「情報サービス部会」に下記の通り議題を提出します。
《議題》 
1.既存の資格を整理するために、点字指導員資格認定講習会の受講者は、点字技能師の有資格者であることを条件とします。ただし、2018年開催予定の同講習会までは、従来の手順による受講を可能とします。
2.点字の資格を一般社会に広くアピールするために、日本盲人社会福祉施設協議会のホームページに「点字の資格」と題し、整理した結果を公表し常駐のページとします。
《提案理由》
平成20年4月17日に「社内検定試験、点字指導員資格認定講習会等調整委員会」が提出した「点字認定制度のあり方の整理について(答申)」(以下「答申」)では、問題点の洗い出しから始まり、具体的な結論が記されています。
 答申提出から7年が過ぎ、視覚障害者の情報保障について法律の整備が急速に進んでいます。平成28年4月に施行される障害者差別解消法の基本方針(平成27年2月24日に閣議決定)には、「障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上等については、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための環境の整備として実施に努めること」とあります。
 今後示されていく障害者差別解消法に基づく対応要領に対応しなければ、公的機関は法的な義務を怠ることになります。点字に携わる人々や施設だけでなく、自治体や学校などが点字への関わりと関心を高めていくと期待されます。
そこで、広く社会一般の人々へ向けて、点字の質を保証できる人材と施設があることを明確に示す一つの手段として、点字資格を答申にならい整理し活用することが有効と考えます。

◆百星の会による点字つき百人一首の紹介

◆研修会「古文教材点訳のポイント」(講師:長江まゆみ氏)
長江氏の冊子『古文教材点訳のポイント』の解説があった。
高校生向け古文問題集をどのように点訳したらわかりやすいかについての提案と意見交換がなされた。

◆ワークショップ「点図deTalk」
数学・幾何の図、地図、フローチャート図、実験図、絵画・アニメの点図を用意し、その図がわかりやすいか、どうすればもっとわかりやすくなるかについて、点字使用者、墨字使用者、両方の立場から自由に意見を出し合って話し合い、理解を深めた。

【平成27年度年賀寄附金配分事業「点字技能チャレンジ講習会」】

この講習会は、日本郵便株式会社様から「年賀寄付金配分事業」の助成をいただいて実施いたしました。

<日時> 平成27年8月1日(土) 13時~18時、2日(日)9時15分~16時
<会場> 北海道立道民活動センター かでる2・7 (北海道札幌市中央区北2条西7丁目)
<目的> 正しい点字表記の普及と点字技能の向上を図り、視覚障害者全般についての理解を深め、ひいては厚生労働大臣認定社内検定試験(点字技能師)合格を目指す点字関係者の受験準備に資することを目的とします。
<参加費> 4,000円 (資料代、模擬試験代を含む)
<使用テキスト> 
『日本点字表記法 2001年版』日本点字委員会発行
『点字検定試験の対策 過去問題(第15回)の正答と解説』日本点字技能師協会発行。
<スケジュール>
8月1日(土) 
13:00~13:30 開会式・オリエンテーション
13:30~15:30 講義1「点字技能師学科試験問題に向けて」野々村 好三氏(京都ライトハウス情報ステーション職員)
15:30~15:45 休憩
15:45~17:45 講義2「実技試験のポイント」長江 まゆみ氏(名古屋市鶴舞中央図書館点字文庫ボランティア)
17:45~18:00 アンケート等
8月2日(日)
9:15~11:45 模擬試験
11:45~12:30 昼食休憩
12:30~13:30 試験の答え合わせ(長江 まゆみ氏)
13:30~13:40 休憩
13:40~15:40 講義3「国語の文法的理解と読解力に関すること」中山 敬氏(日盲連職員・日点協理事長)
15:40~15:50 アンケート・閉会式

◆参加者
受講生13名(うち北海道から12名、東京から1名)

◆講義1「点字技能師学科試験問題に向けて」野々村 好三氏
学科試験に向けて、障害者福祉全般から始まり、視覚障害者の福祉、教育、情報環境など、知識として必要なことが体系的に説明された。

◆講義2「実技試験のポイント」長江 まゆみ氏
試験を受けるにあたっての心構え、持ち物や解答の書き方など「試験注意事項」についての解説、パソコンではなく生の点字に慣れる必要性、勉強の仕方、押さえておきたい点字表記について、など実践的なアドバイスがあった。

◆講義3「国語の文法的理解と読解力に関すること」中山 敬氏
中学生程度の文法知識が必要なこと、品詞を意識すること、仮名遣いを覚えること、ことわざ・慣用句、古文についても出題されるので知っておく必要があること、など重要な点について説明があった。

◆模擬試験
本番と同じスタイルでの模擬試験を実施。時間内に全部を解答できない人は、もっともっと「生(なま)の点字」での練習が必要であることが強調された。

【平成27年度年賀寄附金配分事業「点字技能師研修会」】

この講習会は、日本郵便株式会社様から「年賀寄付金配分事業」の助成をいただいて実施いたしました。

<日時> 平成27年8月1日(土) 13時~16時、2日(日) 9時20分~16時
<会場> 北海道立道民活動センター かでる2・7
(北海道札幌市中央区北2条西7丁目)
<参加費> 1講座1,000円、2講座1,500円、3講座2,000円(非会員は倍額)
<スケジュール>
1日(土)  
13:00~13:30 開会式・オリエンテーション
13:30~15:30 研修会1「『点字表記辞典第6版』の特徴~『改訂新版』との比較を中心に」 高橋 恵子氏(視覚障害者総合支援センターちば職員)
15:30~15:45 質疑応答
15:45~15:55 片づけ
2日(日)
9:20~ 9:30 オリエンテーション
9:30~11:30 研修会2「家電製品の点字サイン調査報告」上野 多美子氏(兵庫県立視覚特別支援学校講師・日点協理事)
11:30~12:30 昼食休憩
12:30~13:30 会員間の情報交換
13:30~13:45 休憩
13:45~15:30 研修会3「誤読を減らすために~漢字の読みと辞書の引き方」 長江 まゆみ氏(名古屋市鶴舞中央図書館点字文庫ボランティア)
15:30~15:45 閉会式
15:45~15:55 片づけ

◆研修会1「『点字表記辞典第6版』の特徴~『改訂新版』との比較を中心に」 高橋 恵子氏
『点字表記辞典第6版』の内容を「改定新版」と比較しながらの講義と質疑応答。
変更になった点、追加された見出しや語例、削除された点、など。

◆研修会2「家電製品の点字サイン調査報告」 上野 多美子氏
日点協の事業として平成25年度から点字サイン調査をしてきたが、その途中報告。
洗濯機などの家電製品についている点字表示や報知音を頼りに使えるか、実際に試して調査をした。
その調査方法や調査結果、そしてメーカーとの話し合いの結果など、今までのところのまとめ報告。

◆研修会3「誤読を減らすために~漢字の読みと辞書の引き方」 長江 まゆみ氏
漢字の読み方(和語、漢語、混種語、音の変化、読み分け、送り仮名)
辞書の引き方(調査をしっかりする、変わりつつある読み方、調べる際の注意、古文の読みの調査)

【冬の研修会】

<日時> 平成28年2月28日(日)9時15分~16時30分
<会場> あざれあ(静岡県男女共同参画センター)(静岡市駿河区)
<スケジュール>
9:00 受付開始
9:15~9:30 開会・オリエンテーション
9:30~12:30 学習会「視覚情報を言葉に代えて伝えるには」 講師:恵美 三紀子氏(日盲社協音訳指導員認定講習会講師)
12:30~13:30 昼食休憩
13:30~16:30 学習会「統一英語点字UEBで何が変わるか~墨字直結主義の光と影~」 講師:福井 哲也氏(日本ライトハウス点字情報技術センター)
16:30~16:40 閉会式
<使用テキスト>
恵美氏の学習会 写真やマンガを文章にする事前課題あり
福井氏の学習会 福井哲也著『エッセンシャルガイド 統一英語点字 UEB で何が変わるか』

◆参加者 
静岡県を中心に全国から48名(うち点字使用者7名)

◆学習会「視覚情報を言葉に代えて伝えるには」(恵美 三紀子氏)
同音異義語の説明の入れ方。漢字1字1字を説明するか、単語全体の意味の説明にするか、臨機応変に。
写真を説明する時、何が大事かを見極め、大事でないものは省く。
マンガのセリフ以外の説明の入れ方。必要以上に事柄を詰め込んで、リズムを壊し、おもしろさを半減させることがあるので気を付ける。
これだという「正解」はないので、経験を積んでコツをつかむこと。

◆学習会「統一英語点字UEBで何が変わるか~墨字直結主義の光と影~」(福井 哲也氏)
A.一般日本語文章中の英語表記・・・日本語文章の中ではUEBは使わない。しかし、外国語引用符で囲む英語、行替えして英文を書く場合には使う。
B.UEB表記規則理解のポイント・・・名称の変更(縮約語・縮約部・縮約・短形語)。単独(standing alone)の定義をしっかり理解すること。語の要素についての理解。大文字の書き方。書体を区別する書き方。斜線・カッコ・アステリスクなどの書き方。今後のUEB導入の仕方。

【日点協通信誌上学習会】

『点字に役立つ国語 増補改訂版』を3回に分けて配本し、それぞれの部分について著者の長江まゆみ氏に解説していただいた。また、寄せられた質問への回答も4回目として掲載した。
講師:長江 まゆみ氏
第152号(平成27年11月10日発行)拍数と語種、分かち書きの基本となる文法、複合名詞
第153号(平成27年12月10日発行)文章符号の使い方、現代文の中に引用された古文の書き方
第154号(平成28年1月10日発行)言葉の知識をふやす努力、伝えるための文章に必要なこと、絵・写真の説明、グラフを表として表す、表のレイアウト、墨字の機械的な置き換えではない点訳
第155号(平成28年2月10日発行)質問への回答

【家電製品点字サイン調査】

25年度、26年度にかけて調査した結果に基づき、27年度に入ってメーカーとの面談を行った。
<象印マホービン株式会社との面談>
平成27年5月13日 
調査した製品は炊飯器。
視覚障害者が炊飯器を使う場合、何を手掛かりにしているかを説明し、次のような配慮をしてほしいと要望を出した。
凸点、凸バー、点字はJIS規格に合っていることも重要だが、触った感じも大事なので、メーカーの方にも実際に触ってみて分かりやすいかどうかを感じてほしい。
ボタンは滑らかに盛り上がっているよりも境界に段差があるとわかりやすい。
報知音があると助かるが、種類が多すぎるとわからなくなるので、基点音をつけてほしい。
内釜に触って分かる水量の目盛を全製品につけてほしい。
<タイガー魔法瓶株式会社との面談>
平成27年5月20日
調査した製品は炊飯器。
要望したこと。
ボタンを押したときの硬さや、ボタンの境界の段差などをメーカーの方にも触っていただいた。製品を作る方も実際に触って考えていただきたい。
炊飯ボタンを押したときの報知音がピーで、取り消したときがピッになっていて、JISと逆になっているので修正するようにお願いした。
たくさん種類があるメニューボタンには基点音を付けてほしい。
機能が少ないシンプルな製品も提供してほしい。
報知音がついていることなど役立つ機能をパンフレットで紹介してほしい。

【点字技能師就業実態調査】

トップページに戻る